
「公式より3割も安いし、レビューも多いから大丈夫」――韓国コスメの偽物は、まさにこの油断を狙ってきます。
結論から言うと、偽物を見た目だけで完全に見抜くのはプロでも難しいです。だからこそ大切なのは「見分ける力」より「偽物に出会わない買い方」。この記事では、韓国と日本の公的機関の発表をもとに、チェックのコツと安全な買い場所、もし偽物をつかんでしまった時の対処法までまとめました。
この記事のポイント
- 韓国政府は2026年、偽物コスメ対策を本格強化。韓国国内でも「正規品のふり」をした偽物がネット販売されていた
- 相場より極端に安い・出品者情報があいまい・表示がおかしい、は危険サイン
- 通販はブランド公式ショップか正規販売店、韓国では路面の露店より正規店・免税店が安心
- 肌に異変が出たらすぐ使用中止→皮膚科。相談は「188」や越境消費者センター(CCJ)へ
いま何が起きている?韓国でも偽物コスメ対策が強化中
K-ビューティー人気の裏で、偽物も増えています。韓国では2026年に入り、政府が立て続けに対策を打ち出しました。
まず5月、韓国の知的財産処(旧・特許庁)、食品医薬品安全処(食薬処)、関税庁が共同で、海外通販で売られている「偽物の疑いがあるコスメ」も含めた安全検査を始めると発表しました。検査件数は前年の1,080件から1,200件に拡大されます。
「위해 우려가 확인된 해외직구 화장품에 대해서는 국내에 반입·판매되지 않도록 통관 보류 및 (중략) 판매 사이트를 차단 조치할 예정」
(危険のおそれが確認された製品は、通関保留と販売サイトの遮断を進める予定)
― 韓国 知的財産処 報道資料(2026年5月12日)
この発表を伝えた韓国の業界紙によると、海外のオンライン上で遮断された韓国ブランドの偽物コスメは、2023年の1万6,774件から2025年には3万6,116件に増えたとされています(知的財産処の資料)。2年でおよそ2倍のペースです。
6月には、知的財産処・食薬処・関税庁と大韓化粧品協会が「偽物コスメ対応」の官民協定を結びました。関税庁長は、海外で作られ輸出される「K-ブランドの偽物」の取り締まりのため、主要輸出国の税関当局との協力を広げると述べています。
そして9月には、中国で作られた偽物のコスメや健康食品を韓国に持ち込み、国内の大手オンラインモールで「正規品のように」売っていた仲介業者が摘発されました。
「정품과 포장 재질, 인증마크 등이 상이한 유명 화장품 (중략) 등이 유통되고 있다는 정보를 입수」
(正規品と包装の材質や認証マークなどが異なる有名コスメが流通しているとの情報を入手)
― 韓国 知的財産処 報道資料(2026年9月17日)
ここでのポイントは、本場・韓国の大手通販ですら偽物が紛れ込んでいたということ。そして手がかりになったのが「包装の材質」や「認証マーク」の違いだったという点です。私たちのチェックでも、まさにこうした細部が大事になります。
また、関税庁が5〜6月に行った知的財産侵害品の特別取り締まりでは、通関段階で止めた偽物が前年同期の約2.5倍に増え、韓国ブランドのコスメの偽物も含まれていたと報じられています。
偽物コスメの何が怖い?「効かない」だけでは済まない
偽物の問題は、お金の損だけではありません。日本の消費者庁は、ネットで買った模倣品について次のように注意を呼びかけています。
「衛生状態がよくない場所で作られていたり、粗悪な原料が使われていたりする可能性があります」
― 消費者庁「インターネットでの化粧品の購入は慎重に-模倣品などの可能性も-」
実際、韓国の食薬処が2025年に海外通販のコスメ1,080製品を検査したところ、230製品(21.3%)が韓国の安全基準に合わなかったと報じられています。一部のヘア用品からは基準の50倍を超えるホルムアルデヒド、色物コスメからは基準の22倍の鉛が出たとの報道もありました。これは偽物に限った検査ではありませんが、「どこで作られたかわからないコスメ」のリスクがよくわかる数字です。
肌に直接塗るものだからこそ、かぶれ・赤み・かゆみといったトラブルにつながるおそれがあります。特に目元・口元に使うアイテムや、敏感肌の人は慎重に。
偽物の見分け方① 価格:「安すぎる」は最大のサイン
一番わかりやすいのが値段です。国民生活センターも、偽サイトの特徴として「販売価格が大幅に割引されている」ことを挙げています。
- 公式ショップや大手ドラッグストアの価格と比べて、極端に安くないか
- 「在庫処分」「正規品保証」「限定特価」など、あおる言葉が多すぎないか
- 品薄の人気アイテムが、なぜかそこだけ大量に在庫ありになっていないか
もちろんセールや並行輸入で安くなることもあります。ただ「相場から大きく外れた安さ」には、何かしら理由があると考えておくのが安全です。
偽物の見分け方② パッケージ:手元の正規品・公式画像と比べる
韓国の摘発事例でも、決め手は「包装の材質」や「認証マーク」の違いでした。届いたら、ブランド公式サイトの商品画像や、以前正規店で買った同じ商品と見比べてみましょう。
- 箱の紙質、印刷の色味、フォント、ロゴの位置に違和感はないか
- フィルム包装が雑だったり、箱がつぶれていたりしないか
- 容器のキャップの締まり、ポンプの質感、重さが違わないか
- 中身の色・におい・テクスチャーが、いつもと明らかに違わないか
最近の偽物はかなり精巧なので、「パッケージが同じだから本物」とは言い切れません。あくまで「違和感があったら疑う」ための確認と考えてください。
偽物の見分け方③ 表示:日本向けか、韓国向けかを確認
日本で正規に売られている輸入コスメには、薬機法に基づき、日本語の表示(製造販売元の名前・住所や全成分など)があります。日本の正規ルートで買ったはずなのに日本語表示がまったくない場合は、まず販売元に確認しましょう。
一方、韓国国内向けの商品はハングル表示が基本です。並行輸入品なら韓国語表示でもおかしくありませんが、その場合は日本の薬機法上の品質確認を経ていない点を理解しておく必要があります。消費者庁も、個人輸入したコスメは国内の品質確認がされていないと説明しています。
偽物の見分け方④ 製造番号・使用期限

韓国のコスメには通常、製造番号(ロット番号)と使用期限(または開封後の使用期間)が記載されています。
- 製造番号や期限の記載がない、印字がにじんでいる、箱と容器で番号が違う
- 期限が極端に近い、または過ぎている
- シールで上から貼り直した跡がある
気になる場合は、ブランドの公式窓口に製造番号を伝えて問い合わせるのも一つの方法です。消費者庁も、不安があれば製造・販売・輸入事業者に問い合わせることを勧めています。
偽物の見分け方⑤ 出品者・ショップのチェック
Qoo10、楽天、Amazonのようなモール型通販や、メルカリなどのフリマアプリでは「誰が売っているか」が何より重要です。
- 事業者の名前・住所・電話番号がきちんと書かれているか
- 返品・返金のルールが明記されているか
- 評価の数だけでなく、最近の低評価に「偽物」「においが違う」などの声がないか
- フリマで「新品・未開封」をうたう同じ商品を大量に出品していないか
- SNS広告から飛んだサイトのURLが、ブランド名と微妙に違っていないか
国民生活センターは、URLの表記がブランドの正式な英語表記と少しだけ違う、日本語の字体や表現が不自然、といった点も偽サイトの特徴として挙げています。
通販で安全に買うなら:公式ショップを選ぶ
いちばん確実なのは、ブランド自身が運営する公式ショップや、ブランドが案内している正規販売店で買うことです。
- Qoo10・楽天・Amazonでは、ブランド名だけで判断せず「公式」表記と運営会社名を確認
- 迷ったら、ブランドの日本公式サイトやSNSに載っている「正規取扱店」の一覧から入る
- フリマアプリは、肌に使うコスメに関しては「安さより安心」を優先
販売ページに「公式」と書いてあっても、それだけで本当とは限りません。ブランド側の公式情報からリンクされているかを確認するのが確実です。
韓国旅行で買うなら:露店より正規店

明洞などの観光地には、たくさんのコスメ店や露店が並びます。露店の商品がすべて偽物というわけではありませんが、仕入れルートを確かめる手段がありません。
- ブランドの直営店:品ぞろえも鮮度も安心感が高い
- 大手ヘルス&ビューティーストア(オリーブヤングなど):複数ブランドを比べながら買える
- 空港・市内の免税店:まとめ買いに便利
「1つ買うと3つおまけ」のような極端な値引きや、箱なし・バラ売りの商品には注意。迷ったら、少し高くても正規店で買うのが結局いちばんお得です。
偽物かも?肌トラブルが出たら?
消費者庁は、肌にトラブルが起きたらただちに使用を中止し、症状によっては皮膚科を受診するよう呼びかけています。
- すぐ使用をやめる:「もう少し様子を見る」は禁物
- 皮膚科を受診:使った商品を持っていくとスムーズ
- 証拠を残す:商品・箱・販売ページ・やり取りのスクリーンショット・注文履歴を保存
- 販売者・モールに連絡:多くのモールやフリマアプリには補償や問い合わせの窓口がある
- 公的窓口に相談:下の窓口を参考に
日本での相談・通報先
- 消費者ホットライン「188(いやや!)」:最寄りの消費生活センターにつながる
- 国民生活センター 越境消費者センター(CCJ):海外の事業者とのトラブルの相談先。悪質通販サイト情報も公開
- 政府模倣品・海賊版対策総合窓口:模倣品の相談・情報提供
また、2022年10月から、海外の事業者が日本に送る模倣品は個人使用でも税関で没収の対象になりました。「知らずに買った」場合でも商品は届かず、お金だけ失うことになりかねません。

日本と違う点
| 項目 | 日本 | 韓国 |
|---|---|---|
| 表示の言語 | 正規輸入品は日本語表示(製造販売元・全成分など) | 国内向けはハングル表示 |
| 主な規制機関 | 厚生労働省(薬機法)、消費者庁 | 食品医薬品安全処(食薬処) |
| 偽物の水際対策 | 2022年10月から海外からの模倣品は個人使用でも没収対象 | 関税庁が通関段階で摘発、2026年に官民協定で強化 |
| 主な買い場所 | Qoo10・楽天・Amazon・ドラッグストア・バラエティショップ | ブランド直営店・大手ヘルス&ビューティーストア・免税店 |
| 相談窓口 | 188、国民生活センター(CCJ) | 旅行中の購入トラブルは店舗・観光案内所などへ |
買う前・届いた後のチェックリスト
- □ 公式ショップ・正規販売店から買っている
- □ 価格が相場より極端に安くない
- □ 事業者の名前・住所・電話番号・返品ルールが書かれている
- □ URLや日本語に不自然な点がない
- □ パッケージの紙質・印刷・ロゴに違和感がない
- □ 製造番号・使用期限がはっきり印字されている
- □ 中身の色・におい・テクスチャーがいつも通り
- □ 異変を感じたら使わずに保管し、販売者に連絡

Q. よくある質問
Q. Qoo10やメルカリの韓国コスメは全部危ないの?
A. そんなことはありません。公式ショップや信頼できる出品者から買えば安心度は上がります。大事なのは「誰が売っているか」を確認することです。
Q. 並行輸入品は偽物ですか?
A. 並行輸入=偽物ではありません。ただし日本の正規ルートを通っていないため、表示や品質確認の面で正規品とは扱いが異なります。
Q. 偽物だと気づかずに買ったら罰せられますか?
A. 個人が知らずに買った場合に罰せられるという話ではありませんが、海外からの模倣品は税関で没収の対象です。お金も商品も失うおそれがあるので注意しましょう。
Q. 明洞の露店は避けるべき?
A. すべてが偽物ではありませんが、仕入れ元を確かめにくいのは事実。肌に使うものは、直営店や大手ストア、免税店で買うのがおすすめです。
Q. 偽物かどうか確かめる方法は?
A. 製造番号を添えてブランドの公式窓口に問い合わせるのが確実です。判断がつかないうちは使わないでください。
出典
- 韓国 知的財産処 報道資料「지재처·식약처·관세청, 해외직구 위조 의심 화장품 안전검사 실시」(2026年5月12日)
https://www.moip.go.kr/ko/kpoBultnDetail.do?aprchId=BUT0000029&menuCd=SCD0200618&ntatcSeq=20880&sysCd=SCD02 - 韓国 知的財産処 報道資料「위조 화장품 근절을 위해 정부와 업계가 함께 나선다!」(2026年6月16日)
https://www.kipo.go.kr/ko/kpoBultnDetail.do?aprchId=BUT0000029&menuCd=SCD0200618&ntatcSeq=20933&sysCd=SCD02 - 韓国 知的財産処 報道資料「중국산 위조 화장품, 건강기능식품 등 국내 유통 브로커 적발」(2026年9月17日)
https://www.kipo.go.kr/ko/kpoBultnDetail.do?aprchId=BUT0000029&menuCd=SCD0200618&ntatcSeq=21053&sysCd=SCD02
(政策ブリーフィング転載:https://www.korea.kr/briefing/pressReleaseView.do?newsId=156782101) - コスモーニング(韓国業界紙)「식약처·지재처·관세청, 해외직구 위조 의심 화장품 안전검사」
https://www.cosmorning.com/news/article.html?no=52761 - 聯合ニュース「짝퉁 명품부터 잔망루피까지…두 달간 위조상품 410만여점 적발」(2026年7月29日)
https://www.yna.co.kr/view/AKR20260729057000002 - SBS(Daum配信)「해외 직구 화장품서 발암물질 검출…기준치 50배」(2025年12月18日)
https://v.daum.net/v/20251218123310320 - 消費者庁「コラムVol.7 インターネットでの化粧品の購入は慎重に-模倣品などの可能性も-」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20240328/ - 国民生活センター「模倣品に関するトラブルにご注意!-令和4年10月から水際取締りが強化されました-」
https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20221012_1.pdf - 国民生活センター「その通販サイト本物ですか!?“偽サイト”に警戒を!!」
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20230130_1.html - 国民生活センター 越境消費者センター(CCJ)
https://www.ccj.kokusen.go.jp/ - 税関「差止実績(公表資料)」
https://www.customs.go.jp/mizugiwa/chiteki/pages/g_001.htm
コメント
コメントを投稿